賃料滞納やテナントトラブルは、突然発生し賃貸経営に影響を及ぼすことがあります。
例えば、
- 今まで、仲介業者が紹介してくれた保証サービスのみでトラブルがなかったが、
テナントの与信が悪くなった途端、保証が終了してしまった。 - 外国人経営者が賃料滞納し、連絡がとれず、どうすればいいか分からない。
- 審査上は特に問題がなかったのに、入居後、
事務所への出入りが激しく他のテナント様に迷惑が掛かって困っている。 - 申込時には分からなかったが、
風俗店営業、暴力団などとの関わり関わりがあった。 - 知らない間に同居会社が増えていて、代表者も変更していた。
- 仲良くしているテナントが滞納してしまい、なかなか強く催促出来ない。
この記事では、主に弊社が行うテナントの審査項目や審査基準のポイント、さらに審査の質が高い・信頼できる保証会社の選び方を詳しく解説します。
ビルオーナー様がご自身で行う場合の調査項目から、保証会社をご利用される場合の選び方まで、リスクを最小限に抑え、長期的に安心できるビル経営を目指す方は、是非参考にしてください。
賃貸保証会社が審査で調べる項目

事業用物件では、「企業としての信頼性」や「事業継続性」が重視されます。
弊社は「定量面」と「定性面」の両方から調査を行います。
「定量面(数字で示せる情報)」の調査
主な確認資料とチェックポイントは以下の通りです。
・決算書(3期分、販売費及び一般管理費明細含む)
・試算表(1期未満または決算期後6ヶ月以上経過時)
ここでは、
✓ 利益が出ているか
✓ 内部留保・現預金は十分か
✓ 借入金が体力以上でないか
を確認します。
「定性面(数字では見えないリスク)」の調査
主な確認資料とチェックポイントは以下の通りです。
・書類(会社概要、事業計画書、代表者経歴)
・現地調査(オフィスや店舗の実態確認)
・代表者の資質・経歴
これらに加え、
✓ 周辺環境への影響
✓ ビルの価値を下げる業種でないか
✓ 反社会的勢力との関係がないか
✓ 企業や事業背景
✓ 最終学歴・職歴
✓ 過去の事業経験
✓ (特にスタートアップ・新設法人の場合)事業に対する想い、代表者の想い
なども重要な調査・審査項目となります。
審査の質が高い賃貸保証会社を選ぶメリット

賃貸経営において、どの保証会社を利用するかは非常に重要な選択です。
単に「審査が通りやすい」だけでなく、「審査の質が高い」保証会社を選ぶことで、
オーナー様や管理会社様には以下のような大きなメリットがあります。
テナントの滞納・トラブルリスクを低減できる
「審査の質が高い」保証会社を選ぶことで、入居後のさまざまなトラブルを未然に防ぐリスク対策が可能になります。
・入居前に滞納リスクの高いテナントの判断が可能
・反社会的勢力・違法行為への関与を確認できる
・滞納発生時は督促から明渡訴訟、退去まで一貫サポート
精度の高い審査によって、将来的な未回収リスクを抑えるだけでなく、万が一の事態が発生した際も、法的な手続きまで含めた手厚いサポートを受けることができます。
ビル全体のブランド価値を維持できる
「審査の質が高い」保証会社は、物件そのものの資産価値やブランドの維持も重視しています。
・「ビルの価値を下げる業態でないか」を審査
・「周囲に悪影響を与える業態でないか」を確認
・他テナント・近隣とのトラブルを未然に防止
支払い能力だけでなく、「その業態が物件や周囲にどのような影響を与えるか」まで
踏み込んで確認するため、既にご入居中のテナントや近隣とのトラブルを未然に防ぎ、良好な利用環境を保つことができます。
長期安定稼働につながる
厳格かつ丁寧な審査体制を整えている保証会社は、結果として物件の長期的な安定経営にも大きく貢献します。
・スタートアップ・外資系・個人事業主など従来判断が難しかったケースにも対応可能
・事業内容や将来性を丁寧に確認し、双方に納得と安心を提供
これまでは画一的な基準で断られていたようなケースでも、事業内容や将来性をしっかりと評価することで、入居を促進することができるでしょう。
これが結果として、テナントの定着率向上と安定した収益確保につながります。
信頼できる賃貸保証会社を選ぶ基準

令和7年における国土交通省のデータでは、保証会社は全国に約120社存在します。
こうした数多くの候補の中から、信頼できる賃貸保証会社を選ぶ基準についてご紹介します。
保証内容とその範囲
保証会社を選ぶ際は、まず以下の5つのチェックポイントに照らし合わせて保証内容を確認しましょう。
1.保証会社の信用力
近年、賃貸保証会社の利用は一般化していますが、保証会社は金融機関ではなく、免許制でもないため、参入障壁が低いことも事実です。
一部の会社は急成長を狙い、過剰なキャンペーンや紹介料で契約を獲得することもあります。
財務体質が脆弱な場合、延滞立替や法的対応コストに耐えられず、保証会社自体が倒産するケースもあります。過去にはリプラスのような事例があり、ビルオーナー様や管理会社様に大きな損失を与えました。
「保証会社なら安心」ではなく、その会社の信用力と財務基盤を見極めることが不可欠です。
以下の観点から保証会社自体の信用力を確認しましょう。
・財務基盤や資本関係(上場企業の100%出資子会社など)
・国土交通省への登録(家賃債務保証事業登録)
・設立年数と実績 (長期運営の安定性)
・決算情報の開示(複数期分の業績推移を確認)
・保証会社が破産・倒産した場合の対応
「初期費用無料」「高額紹介料」などの甘い条件は、裏を返せば財務負担を増やす要因でもあります。
サービスの質や保証範囲だけでなく、担当営業のインセンティブに偏っていないかは注意が必要です。
2.保証履行の要件
保証が履行される条件も事前に確認しておきましょう。
一般的な条件は、2ヶ月分の賃料滞納後に建物明渡請求訴訟を提起することです。
「督促から訴訟、退去まで一貫してサポートしてくれるか」
訴訟提起後、保証会社による賃料の「立て替え払いを停止せずに毎月支払っていただけるか」の確認も重要です。
3.保証契約終了の時期
保証がいつまで続くかは、保証会社によって大きく異なります。一般的な保証会社の中にはテナントの倒産・死亡で終了してしまう契約もあります。
ビルオーナー様にとって、本当に保証が必要な場面で保証してもらえないケースもあります。
テナント破産後も保証継続、退去まで保証してくれる保証会社を選ぶことが大切です。
4.保証契約内容の説明を保証会社が直接行っているかの有無
「保証会社に代理店があること自体知らなかった」という声は少なくありません。
実は、保証会社によっては代理店制度を採用しており、
保証内容の説明を代理店(仲介会社など)が代行するケースがあります。
【代理店制度ありの場合】
・保証説明は代理店(仲介会社など)が担当
・情報が簡略化されやすく、詳細が伝わりにくい
・審査結果や保証範囲の細かい質問に即答できないことも
【代理店制度なし(保証会社が直接説明)場合】
・テナント審査の詳細報告を受けられる
・入居判断に必要な情報をその場で確認できる
・入居判断の精度が上がる
代理店に比べて審査結果の背景やリスクを直接聞けるため、正確な情報を元に安心してご検討いただけます。
直接の説明により保証範囲や免責事項を正しく理解できるので、
後々の「聞いていない」「そんなはずではなかった」というトラブルを防げます。
まとめ|審査の質を重視した保証会社選びが重要

賃料滞納やテナントトラブルは、入居後に発覚するケースが多く、対応が後手になるほどビル経営への影響は大きくなります。
そのため重要なのは、入居前の審査の質と万が一に備えた保証体制です。
事業用物件では、支払い能力といった与信面だけでなく、
事業内容・代表者の資質・周辺環境への影響など、定性面を含めた総合的な審査が欠かせません。
審査の質が高い保証会社を選ぶことで、滞納やトラブルを未然に防ぎ、ビルの価値や利用環境を守ることができます。
保証会社を選ぶ際は、以下のポイントを必ず確認しましょう。
- 与信面と定性面の両方から厳格な審査を行っているか
- 保証内容・範囲が十分か(原状回復費用、法的手続費用を含むか)
- 借主の破産後も保証が継続するか
- 保証会社自体の信用力は十分か
- ビルオーナー様に直接説明・対応してくれるか
「審査が通りやすい」ではなく、「長期的に安心できるか」という視点で保証会社を選ぶことが、安定した賃貸経営への最短ルートと言えるでしょう。